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◇パネル工法

パネル工法

 パネル工法とは、在来軸組工法に枠組壁工法(ツーバイフォー)の考え方を取り入れた工法です。           
具体的に言うと、柱・梁で組み上げた構造体に、耐力壁として工場生産された木質パネルをはめ込む工法です。           
 在来軸組工法をベースにしていますので、プランの自由度が高いというメリットはそのままに生かしながら、耐力の確保、品質の安定、気密性の向上、施工性の向上による工期短縮などのメリットを得ることができます。           
 耐力壁としてのパネルはもちろん、開口部や内部の間仕切り、下がり壁や妻部のパネルなど形状や大きさにあわせて製作が可能です。また断熱材を組み込んだ断熱パネルの製作も可能です。 

※費用は多少増えますが、全てお客様のより良い住環境の為、また、施工する側の後々のメンテナンス不要という大きいメリットに繋がる為、経験を積み信頼性の高い工務店様の採用率が高い工法です。

パネル工法のメリット?  高い耐力とプランの自由性

 在来軸組工法に枠組壁工法(ツーバイフォー)の考え方を取り入れたパネル工法は、モノコック構造とも呼ばれ、非常に高い剛性を発揮し、耐震性・耐風性に優れた建物を建築することが可能になります。           
 では、柱・梁で組み上げた構造体に、耐力壁として工場生産された木質パネルをはめ込むことで、なぜ、高い剛性を得ることができるのでしょうか。           
 下の図をご覧ください。構造力学的にとらえてみると、建物が外部から大きな力(地震、風など)を受けた場合、建物をねじれさせるように(正方形が平行四辺形に変形するように)外部からの力がはたらきます。           
        
 2階床の剛性を確保するためには、剛床と呼ばれる28mmなどの合板を2階床下地として施工することが効果的です。この方法は、施工性の良さも手伝って、現在では多くの住宅で採用されています。
 では建物の外周の剛性についてはどうでしょうか。           
 パネル工法では、一般的な在来軸組+筋交工法と異なり、耐力壁以外にも建物の外周すべてに面材+枠組で構成されたパネルをはめ込みます。このことが建物外周の剛性を飛躍的に高める要因となっています。           
 性能表示の構造計算上において、これらのパネルは「準耐力壁」として扱うことができ、数値上でも建物の耐震性・耐風性が飛躍的に高まっていることが証明されます。     
      
       
■在来軸組+筋交工法
■在来軸組+パネル工法
 また、壁量計算においては、パネルは筋交と比較して1モジュールあたり1.25倍の耐力があります。(壁倍率が筋交は2倍または4倍。パネルは2.5倍または5倍)          
これは、外部から力を受けた際、筋交は線で力を受け伝達するのに対して、パネルは面で力を受け止め分散するため、構造的により強固であると言えるからです。 
このことは住宅のプランニングにおいて、重要な効果を発揮します。           
それは、壁倍率が異なることにより、同じ量の壁量を確保しようとするときに、パネルは筋交と比較して耐力壁の長さが少なくてすむ点です。           
(壁量は壁倍率×耐力壁の長さで求められるためです)           
 つまり、必要な強度を確保した上で耐力壁の長さが少なくて済むので、耐力壁の配置によるプランの制限を受けることが少なくなります。           
ひいては、パネル工法を取り入れることで、リビングを広く取りたい、大きな開口部を設けたい、階段を曲がりや直階段にしたい・・・等々、様々なプラン上の要望に応えられる可能性が高まるのです。
 特に、長期優良住宅などの耐震性を重要視した住宅においては、多くの壁量が求められ耐力壁の配置に困るケースがよく見られますが、パネル工法はこうした場合にもその優れた耐力により、在来軸組工法のメリットであるプランの自由性を発揮することができるのです。

パネル工法のメリット? 品質の安定

弊社のパネルは全て自社工場内で作業手順・作業ラインに基づき製作されます。
このことは、現場作業と比較し、品質の均一性・安定性において、より高い品質で提供することを可能に しています。
 パネル工法の場合、耐力壁と非耐力壁では異なったピッチで釘を打ちつける必要があります。
また、柱間の距離や開口部の大きさに合わせて、様々な大きさで製作しなければいけないことはもちろんですが、気密性や現場での施工性を考えた場合、0.1mm単位の寸法で製作しなければなりません。これらは、建築現場で行うのは非常に難しいことです。
 弊社のパネルは工場内生産、徹底した品質管理により、安定した高い品質でお届けすることが可能です。 

パネル工法のメリット? 気密性の向上

 パネル工法では、建物の外周を全てパネルで覆うため、一般的な木造住宅と比較して気密性が向上しています。           
 また一般的に、建物の外周は透湿防水シートで覆われていますが、この施工の際にもパネルを受材とすることができるため、施工が容易になるとともに気密性が向上しています。           
   さらに、断熱材の施工においても、パネル工法は気密性の向上に大きな役割を果たしています。例えば、一般的に断熱材としてよく使用されるものにグラスウールがあります。このグラスウールを隙間なく施工することは実は非常に難しく、職人による施工精度の差がでやすい箇所でもあります。           
特に、間柱・筋交仕様の場合、筋交に沿って隙間なく施工することはとても難しく、品質管理において住宅会社の現場管理者が頭を悩ませるポイントにもなっています。           
 パネル工法の場合、柱・梁の間に枠組みされたパネルがはめこまれているため、後はその枠の中に断熱材を施工するだけですみます。このことが断熱材の施工を容易にしており、施工精度の向上に一役かっているのです。 

パネル工法のメリット? 断熱パネル

 より気密性を向上させ、施工性を容易にする方法として、弊社では断熱材を工場にてパネルに組み込んだ、断熱パネルもご提案しております。            
 これは、硬質の板状の断熱材(フェノールフォーム、押出ポリスチレンフォームなど)をパネルに充填したものです。当然ながら、現場での断熱材の施工の必要がなく、また工場生産のため気密性・品質の安定性ともに高い品質でお届けすることが可能です。            
            
 弊社では、住宅エコポイント、ならびに長期優良住宅に対応できる、温熱環境等級4相当(最高等級)の断熱材を標準仕様でご提案しております。            
 中でも、特にオススメなのが、高性能フェノールフォーム※を用いた断熱パネルです。これを使用することにより、断熱材の厚みは40mmで温熱環境等級4が取得できます。これは従来より25mmも断熱材の厚みが薄くなっています。パネル幅に対する隙間(空気層)も31mm→56mmと大きくなりました。     
  
※フェノールフォーム
このことにより、パネルを柱・梁に打ち付ける作業が非常に容易になりました。また、コンセントボックスなど、住宅に必須の装置を壁内に取付ける際にも、施工性が大幅に向上しました。高性能フェノールフォームを用いた断熱パネルは、高気密・高断熱に加え、施工品質の安定、工期短縮をも実現することが可能です。

パネル工法のメリット? 工期短縮

 パネル工法の大きなメリットとして、施工が早くできるため、工期短縮が可能という点があります。           
           
 在来軸組+筋交工法では、近年プレカットが主流とはなっているものの、それでも間柱・筋交を1本ずつ 取り付け、必要な箇所に金物を後付けする必要があります。また、外周部に面材を外側から直接貼り付ける工法もありますが、こちらも1枚1枚カットし、貼り付ける手間があります。           
           
 一方、パネル工法では、パネルが柱・梁の間の寸法に合わせて製作されていますので、柱間にパネルの面をあわせて、とめるだけで施工が終了します。           
 後付けの金物は一切必要ありませんし、パネルをとめるだけで外壁の下地にもなり、断熱材を充填しやすい状態にすることが可能になります。           
 また、当然ながら、サッシ等の開口部にあわせた開口を設けていますので、サッシ等も寸法を気にすることなく取付けることができます。           
           
 さらに、外周部だけではなく、内部の間仕切り、下がり壁や、妻部(屋切)のパネルなど大きさや形状、勾配にあわせて製作が可能です。           
 これらを採用することで、1日で「箱」が組み立てられるほど、施工速度が向上します。(構造体に金物工法を採用することで、さらに施工速度が向上します)           
           
 工期短縮は工事費の削減に直結するため、多くの住宅会社が様々な工夫をしています。           
パネル工法はその工期短縮を実現する方法のひとつとして注目を集めています。           
        
様々なパネルの種類
【オレンジ色】両面(5倍)パネル
【黄色】片面(2.5倍)パネル
【ピンク色】非耐力壁パネル
【紫色】開口パネル
【水色】上下パネル
【緑色】妻(屋切)パネル
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